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とちぎご夫婦トーク

友達から恋人、そして夫婦

子育て真っ盛りの梁川健人さん(34)、理紗さん(35)ご夫婦

今回登場してもらったのは、足利市中心部の鑁阿寺西門から道路を挟んだ向かい側でカフェ「八蔵(はちくら)」を営む梁川健人さん(34)、理紗さん(35)ご夫妻です。足利市が地元の健人さんと、東京生まれの理紗さん。お二人の出会いのきっかけや、足利でカフェを開くことになった経緯、6歳(男の子)と2歳(女の子)の二人のお子さんとの暮らしぶりなどをうかがいました。

※年齢は2020年12月現在
ご夫婦で営むカフェ「八蔵(はちくら)」
ご夫婦で営むカフェ「八蔵(はちくら)」

お二人の出会いのきっかけを教えてください。

健人さん

もともと自分はテレビ局の裏方、大道具の仕事をしたくて、高校卒業後に上京して専門学校で2年学びました。そこで同じクラスだった妻と出会いました。専門学校の卒業間際までずっと友達関係で、お互いの恋愛相談なんかもしてました。最終的にはその延長で20歳の時に自分の方から告白して、付き合うことになりました。

突然の告白を受けて、奥様はどういう気持ちでしたか?

理紗さん

また他の女の子への恋愛相談かなと思っていたので、「私!?」って感じでした(笑)。でも自分が恋愛相談をしたときも背中を押してくれたり、人として尊敬できるところ、頼りになるところは前から感じていました。告白されてから、しばらく自分で考えたり、友達に相談したりしたのですが、友達も彼のことを悪く言う人がいなかったので、じゃあ付き合おうかとなって。

手作りのお弁当を持ち寄った大宮デート

お付き合いしていた時で、印象に残っていることはありますか?

健人さん

卒業してすぐのころ、自分は一時足利に戻っていた時期がありました。妻は東京の実家だったので、中間地の大宮(さいたま市)で毎回デートしていました。大宮駅の近くの公園や神社を散策したり、夜は二人で食事したり飲みに行ったり。

理紗さん

公園に行くときはお互いにお弁当を作り合っていたのですが、義母はそれが衝撃的だったみたいで。毎週のように一人分の弁当を作ってデートに行く息子の姿を見て、一体どんな子と付き合ってるのかと思ってたそうです(笑)。結婚が決まってから夫の実家に行ったときにその話を聞いたのですが、私はちょっとうれしかったですね。印象に残っています。

公園でお互いに手作りしたお弁当を食べているカップル、想像するだけでほっこりしますね。
お付き合いから結婚まではどのくらいの期間がありましたか?

健人さん

交際から4年で入籍しました。自分が24歳の時ですね。もともと結婚願望は強かったんで すよ。お互いに仕事が不規則でなかなか会う機会が持てなくなったので同棲したのですが「だったら結婚しても同じだね」みたいな感じになって。

プロポーズはまさかのやり直し!?

プロポーズはどういうシチュエーションでしたか?

健人さん

家で二人で品川ヒロシさん監督・脚本の「ドロップ」という映画のDVDを見ていた時、上地雄輔さん演じる大工が婚約者を残して事故死しちゃうシーンがあったんです。それを見ていたら、結婚しないで死んでしまうのは嫌だなと自分の中で思いが高ぶってしまって「結婚しよう」というフレーズが口から出てきました。このエピソードを結婚式で話したら、友達にめちゃくちゃバカにされて。何で「ドロップ」見てそういう気持ちになるのって。(注:「ドロップ」はヤンキーがケンカに明け暮れる映画です)

理紗さん

私も「えっ?」ってなってしまって、さすがに「後でもう一回やり直してもらっていいですか」とやり直しを求めました(笑)。それからしばらくして、もう一回プロポーズしてもらいました。私は夫のことがずっと好きだったし、4年付き合ってその思いは変わらなったので「よろしくお願いします」と答えました。

“恋の賞味期限は3年”とも言われていますが、お付き合いしている4年間、気持ちは変わらなかったんですね。

理紗さん

そうですね。友達だった期間も長かったので、ずっとその延長という感じですね。デートしてるときもほかの友達が合流して、そのまま一緒に飲みに行くこともあったし、お互いにそれが全然嫌じゃなかったですし。

健人さん

趣味が同じわけでもなく、好きな音楽、映画なんかも違うんですが、なぜかお互い楽に生活できるみたいな。気負わずに自然体でいることができる相手ですね

友人から恋人、夫婦と変化して、今改めて思うお互いの好きなところ、尊敬できるところはどんなところですか?

健人さん

なかなかうまく説明できないんですけど…。頑張り屋のところですね。仕込みなど仕事をこなしながら子供の面倒を見てくれたり、いろいろなことでサポートしてくれるところに助けられています。

理紗さん

私もあらためて尋ねられると何だろう・・・。「優しい」って言うとありふれた感じに聞こえてしまうかもしれないですが、ホントに優しい。自分の身を削ってでも人のために何かしてあげようとか、ホントにそういうことができる人なので、そこはすごいと思います。例えば自分が子育てでいっぱいいっぱいになって「こんな困っています!」というのを伝えると、「じゃあどうしようか」ということを親身になって一緒に考えてくれるので、そこはありがたいですね。

「足利弁」の温かみ実感

梁川さんご夫婦
梁川さんご夫婦

東京で働いていたお二人が、 足利でカフェを開くことになったきっかけは何だったのでしょうか?

健人さん

テレビ関係の仕事は5年ほどで辞め、二人でカフェの開店を目指し、それぞれ別の飲食店で修行をしていました。自分は東京でタクシーの運転手をやりながら、「八蔵」の名前で出張カフェもやっていました。ゆくゆくは足利でカフェを開きたいという気持ちもありました。そんなタイミングで足利市が主催していた「足カフェ」(足利に移住を希望する人や、実際に移住した人などの交流イベント)に参加し、そこで知り合った方々のご縁もあり、足利の空き家で古民家カフェをイベントとしてやりました。その時にお客さんの反応がよかったのと、いろいろな足利の人とのつながりもできたので、じゃあ地元に戻ってやってみようかなという考えになって。ただ妻は実家も東京だし、子育てのこともあるので、彼女の意見は大事にしたかった。それでも最終的には「足利で勝負しよう」と言ってくれました。足利市の担当の方がいろいろと親身に相談に乗ってくれたのも好印象だったのだと思います。

奥様は全く縁のない土地に来ることに不安もあったのでは?

理紗さん

めちゃくちゃありましたね(笑)。年に1、2回、夫の実家に行くのですが、実家は本家なのでものすごくたくさん人が集まるんですよ。その中で足利の人ってみんな話すのが速くて。私がちょっとおっとりしてるというのもあるんですが。あと、足利弁って語尾がちょっと強いですよね。普通にしゃべってるんでしょうけど、怒ってるように聞こえてしまって。あとはチェーン店でもない、個人のカフェにちゃんとお客さんが来てくれるのかなという不安も大きかったです。でも古民家カフェをやった時、うちはハンドドリップで淹れるので、混雑すると何十分も待つことになるんですが、みんな文句を言わない。「ハンドドリップってそうだよね」と。それは足利にコーヒー文化があって、みんな喫茶店でハンドドリップで淹れる姿を見てるからですよね。それと一回来てくれた人が、そんなに間隔も空いてない次回のイベントでも「また来たよ」と足を運んでくれて。そこに人の温かさも感じました。個人的な思いですが、足利弁の強い語尾の裏にある優しさみたいなものに触れられた気がしたんです。

子供たちの成長が楽しみ

夫婦2人の生活から、お子さんが生まれて変わったことはありますか?

健人さん

よく夫婦でも話題に上がるのですが、自分たち中心ではなく子供たち中心の生活に変わりましたね。子供ができる前は「どこに遊びに行く?」とか「どこに飲みに行く?」とかだったのですが、優先順位が変わりましたね。それに、妻に対する見方も変わりました。出産のときに立ち会ったのですが、今まで見たことがないような顔で頑張っていて。子供を産むってすごいことだな、男にはできない仕事だなと実感しました。人生におけるターニングポイントでした。

理紗さん

私も生まれて20年以上、自分中心で、自分の思いだけでやってきて。それが子供ができたとたん、それが当たり前じゃなくなって、こんなに大変なんだと最初は思いましたね。でもだんだん慣れてきて。あとは子供にアレルギーがあるので食品表示をしっかり見たり、食事やおやつもなるべく手作りにしようとか。お店で出すお菓子もそういうことを意識したり。

健人さん

忙しい日々ですけど、それでも子供たちの穏やかな寝顔を見ると疲れも吹っ飛びますね。

理紗さん

何か親を癒やす、すごいパワーを持ってるんでしょうね。これからの成長も楽しみです。

カウンターに立つ梁川さんご夫婦
カウンターに立つ梁川さんご夫婦

お二人にとっての理想の夫婦像や、この先の目標はありますか?

健人さん

とりあえず今のままがいいですね。お互いが健康で、そして子供たちが元気に育ってくれれば。極端な話ですが、年をとってもカフェのカウンターにずっと立ち続けて、最後は常連さんに囲まれながらお店で死ねれば本望かな。あとは密かな夢として、駄菓子屋をやりたいと思ってます!今の子どもたちって買い物もスーパーやコンビニで親に買ってもらって完結しちゃうじゃないですか。自分のお金でやりくりし、お店のおじいちゃんやおばあちゃんのような大人とコミュニケーションをとりながら買う駄菓子屋の存在って、街の機能として大事なんじゃないかな。

理紗さん

私もやっぱり現状維持で、健康でいることですね。ケンカもしますけど(笑)。程よく仲良く家族4人がやっていきたいですね。

 

夫婦であり、親友でもあるお二人。お互い趣味や好きなものは違うのに、一緒にいると自然体でいられる。そんなお二人にお話を伺い、おじいちゃん、おばあちゃんになっても二人で仲良くカフェのカウンターに立ち続けている様子を想像し、ほっこりする気持ちになりました。心温まるお話、ありがとうございました。

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