栃木県内在住・在勤の方を対象に、ウェディングドレスを着てお写真を撮る「フォトウェディング体験」の募集をしたところ、様々な世代の方から多くのご応募をいただき、本当にありがとうございます!ドレスやアクセサリーを選定し、選ばれた5組の撮影に立ち会い、対面でお話しを聞き…。まるで親戚みたいな気持ちで、それぞれの“人生”を見させていただきました!
夫と義母からの
サプライズプレゼント
ふたりが入籍したのは2020年の秋。コロナ禍の真っ只中、また、高齢者施設に勤務していることもあり、「結婚式は感染が落ち着いてから」と話していた。長引くコロナ禍の中、新しい命を授かり喜びも舞い込んだ。育児に奮闘しながら、幸せで忙しい毎日が過ぎていく。でもお互いの心に引っ掛かっていたことーそれが、憧れだったウェディングフォトだった。「私たちの気持ちを察してくださったお義母さんが、このフォト体験を夫へこっそり勧めてくれた。その優しさが泣きそうなくらい嬉しくて」。ご両親に見守られながら、そして新しい家族をふたりの間に迎えて。サプライズのプレゼントは、優しさに満ちた写真として一生の想い出へ。
「妻が大島美幸さんと同じ黒羽地区出身で、これも何かの縁だと感じました。思い切って応募して本当によかったです」「大島さんに選んでいただいたイヤリングもすごく素敵で!夫のタキシードもかっこよかったです(笑)」
素敵なサプライズになりましたね。家族で重ねてきた色々なことが、味わい深い写真になるのだと思います。撮影の時、ドレス姿のママが美しすぎて息子くんがママのことをわかっていない様子だったのも、かわいらしかったです!
ウェディングドレスをお先に
ふたりは付き合って1年と数ヵ月。大学院生の彼女は栃木を離れ県外で勉強中、彼は栃木で働いている。「彼と結婚したいけれど、迷いもあって」。そんな彼女がとった行動が、結婚が決まってからウェディングドレスを着るのではなく、ドレスを着てから結婚を決める!ということ。「勝手に応募しちゃったから、彼に渋られるかな」。そんな彼女の不安をかき消すように、撮影が決まってからはふたりの関係が前に進んだ。なかなか結婚を切り出せずにいたのは、実は彼のほう。彼女がまだ学生であること、でも自分は30歳になるしと悩んでいたところ、「この機会に後押しされた」。普通の順序とは違う。でもふたりらしくて素敵な奇跡のきっかけ。
「ドレスやフォーマルウェアをあまり着たことがなかったので、とても新鮮な気持ちになりました。この体験への応募がきっかけで、私たちふたりの未来を話す機会が増えました」
ご応募された経緯がとても印象的でした。「先にウェディングドレスを」という視点が素敵で、私も気に入ったんです!当日はご家族も来てくださって、奇跡のきっかけに出会えたことがとても嬉しいですね。
深紅のドレスで私を変える
20代の頃からウェディングドレスは憧れで、いつかは着る日が来ると思っていた。30代に入って機会が訪れぬまま、徐々に太り始めてしまった。「まずは自分を変えないと」。気持ちを切り替え、ダイエットをしてドレスを着ること、結婚することを目標に。まだ運命の相手には出会えていないけれど、この赤いドレスは8キロ痩せた自分自身へのエール。ポジティブな気持ちにギアを入れて、一緒に将来を歩いていけるパートナーを探しに。
「本当の式はどんな感じか、想像しながら着て楽しかったです。普段はあまり着ない赤のドレスと、大島さんからいただいたエールで、前向きな気持ちになりました」
ご自身で目標を立てられて、ドレスを着る。その動機と勇気が本当にかっこよくて。そしてすごい努力をされて痩せられたのだと思います。いい人に出会ってほしい、そして白いドレスも着てほしい!ご報告を待ちたいです!
リベンジのウェディングフォト
21年前の結婚式で撮った写真は、残念なものになってしまった。その理由は、うさぎ。「実家暮らしだったので、私がお嫁に行くときに両親が寂しくないよう、結婚式でうさぎをプレゼントしました。でもそのうさぎを当日連れていくまでのお世話が大変で、式前日に睡眠不足。結婚式で顔がむくんでしまったんです」。21年前の想いを蘇らせて、素敵な写真をもう一度。
「当時は若かったので私自身のことで精一杯でしたが、改めて、今は相手あっての自分だなと感じました」「妻から応募したことを後で聞いたので、勢いで撮影に臨みました(笑)。教会で撮って、新鮮な気持ちになりましたね」
私も結婚10年目で式を挙げたのですが、1年目には想像もしなかった気持ちになりました。おふたりも、21年目に新たな思いを刻まれたのでしょうね。「もう少しお互い痩せる予定だったね」と話されていたおふたりの笑顔、すごく素敵でした!
50年目のウェディングドレス
「金婚式を迎えるので、記念にウェディングドレスを着てみたい」。70代の女性から届いたメッセージ。50年前、桜通りにあった全労済で結婚式を挙げた。当時は白無垢ばかりでドレスを着る時代ではなかった。「でも、レースが大好きだったので娘たちの結婚式を見て私もいつか着てみたいなと」。そして、あっという間だったという50年目、念願だったレースのドレスに袖を通した。目がキラキラと輝くふたりの新たな門出。
「私が還暦の時、娘が『ドレスを着て写真を撮ってみたら?』と提案してくれました。でも、主人と一緒のお祝いの時に着たかったので、本当に嬉しいです」「妻のドレス、綺麗でした。まだまだこれからの人生。楽しく過ごしたいね」
おふたりのあうんの呼吸。金婚式を迎えられてもずっと仲が良いとのこと、とても楽しそうでした。「生きていく上で、一人で考えるよりもふたりで考えた方がいろんな道が見つかる」とお話ししていただいたことも印象的でした。
これから出会いを見つける方から新婚のおふたり、金婚式のご夫婦まで、いろんなカタチがあり、人との繋がりで人生が変化していく。本当におもしろいなと身に染みました。「結婚」って、その2文字だけ見ると重く感じるかもしれないけれど、「パートナーと一緒に助け合って生活をする」という、人との繋がりなんですよね。そう考えると、結婚をもっと身近に想像できるのではないかなと思います。
(大島美幸)